生育調査・圃場撮影

生育調査・圃場撮影


スマート農業には様々な方法や取り組みがありますが、その一つにリモートセンシング技術があります。人工衛星からの写真や圃場の定置カメラ、観測機器などを用いて、人が圃場で直接観察することなく作物の状態を確認することができます。

もちろんドローンによる撮影では圃場に出かけますが、圃場内を人が移動することなく、簡単で素早く圃場内を観察できます。衛星画像は解像度が高くなく粗い画像になりますが、ドローン撮影では目視に近いレベルの解像度で撮影が可能です。

ドローンによる圃場撮影で次のようなことができます。

  • 定期的な生育・病虫害調査、診断
  • 人が移動することなく、広い圃場やきつい傾斜地の圃場を見回り
  • 均平な圃場整備のために、田面の高低差を高精度に画像化
  • 果樹の樹形撮影・モデリング
  • 自動航行ルート作成のための圃場測量

🔳 生育調査

通常のカメラと同じ可視光による撮影では、農家様が直接画像から状態を観察することができます。またマルチスペクトルカメラという近赤外線や複数の特定の色を写す特殊なカメラで撮影し、コンピュータにより生育状態や病虫害などを分析・診断することが可能です。

また圃場全体は広いため、数百枚以上の複数の画像を撮影した上で1枚に合体させます。この時、グーグルマップの航空写真のように画像全域が真上から見た画像に見えるように処理するオルソモザイクという画像を作成します。目視と同等の画像により、農家様が直感的に生育状況を観察することができます。

生育分析画像とオルソモザイク画像の比較分析例

生育調査について詳しくはマルチスペクトル生育診断をご覧ください。

🔳 圃場見回り

広い水田や傾斜地の果樹園・畑地など、圃場の見回りには労力がかかります。人の目で作物や施設の確認を定期的に行うことは非常に大事ですが、そのうち何回かをドローンによる空撮に置き換えることで作業時間の削減に大きく貢献できます。

特に人が入りにくい水田の中心部、きつい傾斜地の圃場、棘の多い作物畑など、人が入りにくい圃場では効果大です。

撮影画像は動画・静止画で記録できるため、撮影後にじっくり確認ができます。またデータ保存できるため、生育状態の時間経過による変化や、設備状態の長期記録、劣化傾向検知などに利用できます。

急傾斜地の果樹園見回り

🔳 圃場高低差測量

水田圃場の均平作業において、ドローン空撮により短時間で高精細な測量と画像化ができます。

RTK対応ドローンの高精度測位によりセンチメートル単位の測量が可能で、同じく高精度のレーザー測量等と比べて大幅な作業時間短縮ができます。測量のために圃場内に立ち入る必要もありません。

圃場内高低差可視化の例
配色を強調しているが、実際には10センチ程度の差

🔳 樹形調査

果樹を上空から高精細撮影し、地上からの観察と合わせて適切な整枝・剪定作業のための画像データを提供します。

また3D撮影・画像処理を行う樹形モデリングにより、詳しい樹形調査が行えます。

🔳 自動航行測量

生育調査や圃場測量を行う空撮用ドローンは、自動航行散布のための測量・ルート作成にも使用されます。

自動航行ルートの作成例

自動航行について詳しくは自動航行をご覧ください。


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